先行き不安な現代社会、困難な経済状況下であっても繁栄期でも、どんなときでもうまく富が得られる特別なヒントがあるならば知りたいと思いませんか?その実用的かつ精神的なヒントは、何千年と受け継ぐ古代ユダヤの伝統的な信仰とその文化に見られる知識ほど優れた源はないでしょう。今回はユダヤ人ラビが教えるビジネスで秀でるための不朽の真理である富を得るための十戒を紹介します。

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はじめに


歴史を通して多くのユダヤ人が富の創造と維持に成功しているのは知られています。その理由を探求するには、米ニューズウィーク誌で「アメリカのトップ50のユダヤ人ラビ」の一人として選ばれているラビ・ダニエル・ラピン氏の著書「Thou shall prosper : ten commandments for making money (仮邦題)~汝、繁栄せよ~『お金儲けのための10戒』第2版(英語版)で明かしている、決して変わらない10の恒久原則、いわばユダヤの伝統からくるお金を稼ぐための10の戒律を知ることがヒントになります。

ラビ・ダニエル・ラパン氏は、『お金儲けのための10戒』を、あらゆる背景の人々が富を得るチャンスにつながるような具体的な行動ステップとして紹介してくれています。この戒律の概念を知ることで、あなたはきっと今までのお金に対する考えや概念を一変させられるでしょう 。ぜひその変化を楽しんで下さい。

お金を稼ぐための十戒

第一の戒め:仕事に尊厳とモラルをもつ
第二の戒め:あなたのつながりのネットワークを多くの人に広げる
第三の戒め:我を知る
第四の戒め:完璧を求めない
第五の戒め:一貫して絶えずリードする
第六の戒め:不変であるものにはしっかりと固執し、絶えず変更可能なものを変える
第七の戒め:未来を予見する力を身につける
第八の戒め:お金を知る
第九の戒め:お金持ちになるには税引き後の収入の10%は寄付する
第十の戒め:決してリタイヤしない

お金を稼ぐための十戒

ユダヤ人ラビのダニエル・ラピン氏が提唱するビジネスとお金に関する10の基本的な「戒律」は、あなたの信仰やバックグラウンドに関係なく、富を生み出す可能性を高めるための洞察を含み、富を得るチャンスにつながる具体的な行動ステップです。

第一の戒め:仕事に尊厳とモラルをもつ


第一の戒め:
仕事に尊厳とモラルをもつ

「ビジネスは道徳的で、高貴で、価値がある」という概念から入る必要があります。伝統的なユダヤ文化の奥底には、豊かさを得るためのビジネスの唯一の方法とは、他者のニーズに真摯に応え、名誉ある信頼に足る行動を取ることであるという信念があります。ビジネスは自分自身を養うための手段であると共に同時に他者に与えることができる最高の立場であると考えます。

あなたが一日中書類を打っている事務員であろうが、工場労働者、ゴミ収集人、億万長者の大企業の社長であろうが、家で家事にいそしむ母親であろうと何らかの形で他者に価値を提供しているならば、それはあなたがビジネスに携わっているということなのです。

私たちは皆、さまざまなビジネスに従事しているのであり、誰かにあなたが専属的に行っていることは、それ自体が高貴で価値があるとういことを本当に理解することは、あなたのエネルギーを刺激し、あなたの努力を推進するのに役立ちます。自分の仕事に誇りが持てなければビジネスは成功できません。まずはあなたの仕事に尊厳と誇りを持ちましょう。

第二の戒め:あなたのつながりのネットワークを多くの人に広げる


第二の戒め:
あなたのつながりのネットワークを

多くの人に広げる

人間関係の輪が広がれば富も生まれます。他の人々と交流することで富を創造する状況を整えることができます。一般的に、人はすでに関係のある人とビジネスや取引をすることを好むので取引が成立するためにはすでに人間関係が存在している必要があるのです。

伝統的ユダヤ人の知恵によれば、成功は私たちの友人が、そのビジネスを承認した場合にのみ可能であると言われます。あなたの成功への情熱と原動力に火をつけるのは彼ら友人たちの承認です。また、つながりを構築することとは彼らからお金を引き出すことではありません。

他の人があなたのために何ができるかではなく、あなたが彼らと人間関係を築き、その関係を維持することに喜びを感じるからです。逆説的ですが そうすることで他の人のために良いことをするとき、友人もあなたのために良いことをする義務をより強く感じ取るでしょう。それは、両者にとって人生をより豊かにすることができる好循環となります。

第三の戒め:我を知る


第三の戒め:我を知る

人は自分自身を2つの独立した存在としてとらえる概念を十分に把握する必要があります。人間には物質的なものと精神的なものの二面性の属性があるということです。その中で精神的な成長を通じて良い判断力を身につけ物質的な衝動やエゴをうまくコントロールすることを学びましょう。

人は精神的に相性が良いと感じる人と最も良い関係を築くことができます。それは車を買うにしても同じです。契約する前に、まずは営業マンと人間的に仲良くなりたいと思いませんか?小手先の営業戦略ではダメなんです。他者と取引するに値する精神的な良いところを自身で伸ばしていくことで人格者とみなされ、一緒にビジネスをしたい取引相手として好感を持たれます。

また、自分をしっかり洞察的に見て、あらためるところはあらため改善しながら、あなたのスキルを磨くことは顧客に売り込むための、あなたの新製品を見つけるようなものです。あなたがビジネスであり、あなたの主な資産はあなたの時間、経験、そしてつながりです。

第四の戒め:完璧を求めない

第四の戒め:
完璧を求めない

ユダヤの教えでは、理想主義的な完全性は人間によっては達成できないので、人々は不完全さの中でできる限り最善を尽くすべきであるとしています。

理想の追求として憧れを持つ程度であれば問題はないですが決して完璧に振り回されないようにしなければなりません。それよりも、あなたは理想的でない状況でいかに機能するかの方法を学ばなければなりません。

むろん政府や社会経済システムなども常に平等や完璧に機能するわけではありません。しかし、それでもユダヤ人は前向きなことに焦点を当て、その構造自体ではなく、それを悪用する人間に対して責任を負わせる必要があると考えます。

ビジネスとは人間同士が協力するための単に道具であると考え、他の道具と同様に誤用や悪用もあり得ます。ある特定のビジネス家が非倫理的である場合があったとしても、ビジネス自体には何の罪もありません。ビジネスでおきる問題とは人々がそれらを誤用することによってひき起こされます。

第五の戒め:一貫して絶えずリードする

第五の戒め:
一貫して絶えずリードする

リーダーシップとは名詞ではなく動詞です。リーダーシップは、なるものではなく行うこと、つまり行動することです。リーダーとして必要な資質とは?リーダーとはフォロアー(信奉者)がいる人のことです。それにはまず自身の個性を持ちフォロアー(信奉者)を獲得しながらリーダーとなる機会に出会うことです。

リーダーとして人に勇気、楽観性、感動を与え、人を育てることは可能なのか?逆説的ではありますが、その答えは、「人は学ぶことができる」ということです。リーダーであるためには従う方法も学ばなければなりません。歴史上最も偉大なリーダーであるモーゼには、神という指導者がいました。

また、リーダーであるためには自分が達成したい明確な目標やビジョンがなければなりません。リーダーとして信念にもとづく対立を受け入れる必要があります。そしてリーダーとして、もうひとつ必要なのが「信仰」です。

私(ラピン氏)が信仰という言葉を使うとき、その意味は、まだ目に見えないものを、あたかも現実に存在するかのように快く扱うことができる能力という意味です。リーダーとは信仰と事実の両方を習得する必要があります。

第六の戒め:不変であるものにはしっかりと固執し、絶えず変更可能なものを変える


第六の戒め:
不変であるものにはしっかりと固執し、
絶えず変更可能なものを変える

人間は習慣的な生き物で慣れ親しんだ安心感を好むのか、それともバラエティに富んだ新たなるスパイスが好きなのか?人類の複雑さを考えると、その答えは「両方」です。あなたは不変であるべきものと不変でないものとの間での変化を歓迎すべきなのです。

革新や変化を受け入れましょう。それは一部の人々にとって苦痛をもたらす可能性があることも受け入れます。ユダヤ人の伝統では人間の身体や精神は、急激な変化に対応するためには時間が必要であると示されています。

ですからユダヤ文化では結婚式や葬式などの行事は何日にもわたって執り行われます。変化を即座にではなく徐々に吸収するようにしてください。2つの変更を同時には開始しないでください。そしてあなたのコアバリュー(中核となる価値観)はしっかり掴んでいてください。それは決して変わらずに固着するべきものです。

第七の戒め:未来を予見する力を身につける


第七の戒め:
未来を予見する力を身につける

未来を見通す預言者とは異なり、賢者は「今日の出来事を見て、それが明日にどのような影響を与えるか」を予測することができます。未来を予測するために、あなたは魔術師になる必要はありません。あなたは、エゴの輝きに惑わされることなく、感情と野心をあなたの根本から取り外せるならば、それを理解することができます。

未来を予測するためには、現在と過去の両方を注意深く解釈する必要があります。正確な予測を行うために、ビジネスの傾向についてすべてを知る必要はありません。ビジネスに直接影響する傾向だけを知る必要があります。

あなたがWeb関連で働いている場合、インターネットで何か影響を与える可能性のある規制についての情報を入手してください。自動車業界にいる場合は、材料価格に影響を与える可能性のある貿易規制に注意してください。

第八の戒め:お金を知る


第八の戒め:
お金を知る

ユダヤ人の知恵によれば、あなたが経済的な豊かさを望むなら、お金の性質を知る必要があります。お金とは二人の人間がお互いを喜ばせたときにのみ生み出されます。お金を望むなら、秘訣はお金自体を欲することではありません。人が相互に有益な信頼感を高める環境を作る必要があります。

お金は、あなたの生命力を数値化したものであり、時間、スキル、経験、執念、人間関係の集合体です。ユダヤ人の伝統では、お金の流動を支持します。すべての人の価値を高めるためにはお金は移動し、取引されていなければならないからです。さもないと不況になります。したがって、ヘソクリであったり箪笥貯金ばかりで家にしまいこんでいることはお勧めしていません。

第九の戒め:お金持ちになるには税引き後の収入の10%は寄付する


第九の戒め:
お金持ちになるには税引き後の
収入の10%は寄付する

カバラの難解な聖典『ゾハール』には、「慈善事業に多く寄付をする人は、神の祝福が届く道を開くので、その分豊かになる」と書かれています。ユダヤの教えでは実際には何千年にもわたって、慈善を行うことと富の増加との関連性が観察されてきました。

古典によるユダヤの知恵とは行動を規定するのではなく、実際に現実を記録しているものなのです。お金を贈ると、贈った人の財産が増えます。それは口伝え文化の中でもそれが真実であることをユダヤ人たちは知っています。

国家的規模だけでなく、これは個人レベルでも当てはまります。 富を増やすことに興味がある人が身につけるべき最も重要な習慣の1つは、お金を配ることです。これは非合理的であり、あなたの直感には反するかもしれません、ですが良いアドバイスです。

身の丈にあった生活をするのではなく、身の丈にあった寄付をするのです

神から与えられた人生の使命は、孤独な状態を終わらせ他者とのつながりを築くことです。

電子の移動が物質の分子を結びつけるように、お金の移動が人間を結びつけるのです。お金の流れが絆を維持し、逆に絆がお金の流れを活性化させます。

お金が流れるにはパイプラインが必要です。つまり、あなたの仕事は、お金を運んでくれるパイプラインを掘り起こすことです。では、どのようにパイプラインを掘ればよいのでしょうか?それは、自分から世の中にお金を送り出すしかないのです。

その行為そのものが、自分から外の世界へチャリティーという形でお金を運ぶという目的を果たした後も、開いたままで使えるパイプラインを作るのです。そして、そのパイプがあることで逆方向の現金の流れにも対応できるようになります。

第十の戒め:決してリタイヤしない

第十の戒め:
決してリタイヤしないでください。

「人生は旅であり、目的地ではない」という格言があります。ビジネスも同じように考えなければいけません。日本では65が定年退職ですが、つまり、定年までの日数を数えていてはいけないということです。

ある年齢になったら、もうお金を稼がないということはありません。退職するということは社会に価値を提供することをやめるということです。その偏った観念は自分の可能性を狭めることでもあるのです。職業とアイデンティティを統合しましょう。

最終的なゴールにこだわらないことです。老後の生活にこだわると人生観がゆがんでしまい、老後を迎える前にペースダウンしてしまうかもしれません。それよりも、晩年も活動的で生産的な多くの人々の一人になりましょう。

年をとればとるほど、あなたには経験やスキル、繋がりの資産が増えるのです!

【著書】汝、繁栄せよ『お金儲けのための10戒』第2版

今回このページで紹介したラビ・ダニエル・ラピン氏の著書「Thou shall prosper : ten commandments for making money (仮邦題)『汝、繁栄せよ』:お金儲けのための10戒」第2版(英語版)は、残念ながらまだ日本語訳での出版はされていません。ですが、この本の中にはまだまだ富を生み出すための実践的なアプローチがことこまかに提示されており、読んでみる価値があります。一読できる方はぜひコチラを、おすすめします。

まとめ


いかがでしたでしょうか、現代にあてはめたビジネスストーリーやラピン氏自身のビジネス経験、そして何千年もの歴史で培われた伝統的トーラーの知恵やタルムードの処方を融合させたユダヤ人のお金に対する不朽の真理とは私たちにとっては、どれもが新しい発見として目が見張るものがあります。

『お金儲けのための10戒』とは人生とビジネスのためのシンプルで実践的な原則なのです。もしあなたが収入アップを目指すのであれば、この『お金儲けのための10戒』の概念を受け入れることでさらに前進し、お金とより健全な関係を築くことができるでしょう。